原産地

さつまいもの原産地は、中南米だといわれています。祖先種が染色体の倍加や交雑などでさまざまに変異し、そこから人によって選ばれ、さつまいもが生まれたと考えられています。
紀元前1000年ごろには海を渡ってポリネシア地域に伝わったようです。
1492年にアメリカを発見したコロンブスは、その後もアメリカへの航海を行い、さまざまなアメリカ原産の植物をスペインに持ち帰ります。その中にさつまいももあったようです。その後さつまいもは、ヨーロッパでは広まらなかったものの、16世紀に入ってアフリカやインド、中国など、旧大陸に広く普及します。

日本、長崎県への伝来

日本への伝来は、1597年に宮古島に入ったのが最初といわれていますが、宮古島は沖縄本島から離れているため広がることはありませんでした。1605年に中国の福建省から琉球へ伝わり栽培され始め、1609年以降薩摩の領有支配に伴って薩摩へと伝わり、主に九州地方で栽培されるようになりました。
長崎県への伝来については、1615年にウィリアム・アダムスが持ち帰ったいもを平戸の英国商館長リチャード・コックスが付近の農夫に作らせたとの記録があります。

主要産地の推移

第二次大戦後、でんぷんの需要の高まりとともに作付が急増し、旧南高来郡(現南島原市)、長崎市・西彼杵郡、五島地域を中心に昭和34年に28,000haと最大になりました。その後、安価な輸入とうもろこしとの代替、食生活の変化による自家食用の減少、飼料用の需要の減退などにより減少し、昭和46年に10,000haを、平成10年に1,000haを下回り、平成23年現在で長崎市、五島市、西海市を中心に435haとなっています。

機能性

さつまいもの栄養成分の最大の特長は豊富な食物繊維ですが、ビタミンCもみかんに匹敵するほど豊富に、しかも壊れにくい形で含まれています。また、高血圧や胃癌に関係があるといわれるナトリウムの害を軽減する効果があるカリウムもたくさん含まれています。その他、カルシウム、リン、鉄、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2などもたくさん含まれています。

畑の様子


収穫の様子


※参考文献
・「長崎県農林産物の伝来と歩み」平成25年3月
 長崎県農林技術開発センター
・「食生活」vol.107 2013年11月 カザン

※取材協力:JAながさき県央

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